かりんのケースを中心に先天性心疾患での手術費、入院費などの治療費と実際の請求金額、負担軽減に使える制度を紹介します。基本的には費用をできるだけ抑える方向で話を進めています。以下に出てくる写真はかりん(娘)の明細です。
目次
子供の場合、基本的には病院での治療費はほとんどかからないと考えていいです。医療費の負担軽減になるものがいろいろあるので2重、3重にカバーされている感じです。
ただ、医療費以外ではそこそこかかる可能性はあります。主なものは以下のとおり。
- 入院時の食費
- 面会のための交通費
- 面会のための駐車場代
- 服やおむつ
子供が入院している場合でも食費はかかってきます。かりんのケースではMAXでひと月の請求金額が4万円を超えたときが何回かあります。赤ちゃんで母乳が使える場合はかなり軽減することが可能です。かりん(娘)は病気の症状のため、母乳をほとんど使えなかったのでひと月まるごと食費がかかりました。 相当数の母乳は持参したのですがほとんど使えなかったです。
とか
とかいう具合でした。
自宅が病院から遠ければ、交通費もかなりかかってくることが予想できますね。
治療費負担の軽減の使えるものとしては、基本的に以下の3つ。
- 保険証
- 小児医療証(子ども医療証など居住地によって名前は異なる)
- 限度額適用認定証
保険証はもっとも基本的なもの。
小児医療証(子ども医療証など、他の名称もある)は自己負担額を軽減してくれるもので全都道府県の自治体が発行。(2021年時点)
限度額適用認定証は医療費を自己負担限度額までにしてくれるもので、これも全都道府県で申請可能。(2021年時点)
ということで先天性心疾患の場合の医療費の請求金額までの流れとしては以下のようになります。
診療費合計とか医療費請求書とか書かれているもの
未就学児の場合
2割負担になっていてもまだ請求金額が何十万円(目安)を越えている場合
この時点で赤ちゃんなら治療費はほぼ0円になっている。
これらは軽減されないことが多い。
また、子どもの病状により利用できるものもあります。
- 小児慢性特定疾病
- 特別児童扶養手当
- その他
小児慢性特定疾病・・通称「小児慢性」とか呼ばれているもの。指定されている病気に該当していれば利用可能。患者の負担額を減らしてくれるもの。かりんのケースでは大動脈縮窄複合がメインの疾病だったので「大動脈縮窄症」で発行されていた。
特別児童扶養手当・・月々お金を支給してくれる制度。家での子どものケアにかなりの負担がある場合に適用される。月々の支給額は3~5万円ぐらい。1級、2級とある。かりんのケースでは2級だった。
かりん(娘)の場合、この2つは病院から提案されて申請しにいったので、患者側から自発的に申し込むのは厳しいのかもしれない。
その他、ひとり親家庭等医療費助成、など家族の状態や子どもの病状によってさらに利用できる制度はありますので病院で確認しましょう。
かりんのケースでは、多様な手術が行われていたので、ひとつの手術がいくらというのはわかりかねますが、
ひと月5000円~2000万円ぐらいでした。退院時のときの医療費の一番少なかったときが5000円ぐらいで、ノーウッド手術などの一連の大手術の時期が2000万円ぐらいです。
(写真は点数なのでこれに10をかけたものが金額です。。。)
手術があった月の治療費での内訳としては多めなのは、手術・輸血、診断群分類、麻酔、入院料等の4つです。
上記の通り、治療行為になるのでそれらの請求金額は0円でした。
なので、実際に払った金額としてMAXでひと月42790円、MINで0円でした。
かりん(娘)の場合、入院費では(画像は点数なので10かけて計算)
NICUでひと月まるまる入院した場合、35万円~60万円
PICUでひと月まるごと入院した場合、350万円
小児病棟でひと月まるごと入院した場合、150万円
でした。
NICUの入院費はかなりばらつきがあったので、治療内容によって上下する模様です。
かりんのような重度の先天性心疾患の場合はこういうイメージだと考えてもらっていいのではないかと思います。
もちろんこれらは治療費になるので、実際に払った金額としてはMAXでひと月42790円、MINで0円です(かりん(娘)の場合)。
以上、かりん(娘)のケースを中心に重症先天性心疾患の場合の治療費を紹介しました。「日本の医療保険制度は総合点で世界一」と評価されるほど日本の国民皆保険制度は優れているのでありがたいですね。
お子さんが先天性の病気だと診断された場合は保険証、医療証、限度額適用認定証の3つは早めに申請しましょう。